利用運送事業を活用した引越しサービス

これまで、利用運送事業の全体像を概要として触れたり、第一種貨物利用運送事業登録申請や、第二種貨物利用運送事業許可を取得するための法律手続きについてのQ&A、あるいは普通トラックや軽貨物自動車を活用したり、鉄道貨物や航空貨物、外航貨物との組み合わせといったビジネスモデルについて解説してきました。しかし、今日はこれまで触れてこなかった、新しいビジネスモデルをご紹介します。

引越しサービスを利用運送で!

それは、利用運送事業を活用した引越しサービスです。一般に貨物運送事業は、普通トラックを使用する一般貨物自動車運送事業であったとしても、軽貨物自動車を使用する貨物軽自動車運送事業であったとしても、圧倒的に多くの事業者は運送約款に「標準貨物自動車運送約款」を採用することが多く、引越し用の標準引越運送約款を採用する会社はほとんどないといっていいでしょう。なぜならば、標準引越運送約款では、業務が引越しに限定されてしまうからで、標準約款ならば「なんでも運べる」からです。じつは、ここにみんなが陥る死角があるのです。

標準約款を採用して「引越し」ビジネスを忘れてしまう

業界内のほとんどの会社が標準貨物自動車運送約款を採用するのですが、ほとんど全社がこれを採用して引越しビジネスに参入するため、顧客である一般消費者からみると、誰が運んでも同じに見えてしまって、価格競争に陥ってしまっているのです。また、この標準約款を採用することで「引越し」をビジネスにすることを忘れてしまうのです!なんてことでしょうか。でも、これが現実です。

利用運送にも標準約款と引越約款がある

もうひとつ忘れていることがあります。それは、利用運送にも標準約款と引越約款があるということです。それぞれ「標準貨物自動車利用運送約款(平成2年11月26日号外運輸省告示第579号)」と、「標準貨物自動車利用運送(引越)約款(平成2年11月26日号外運輸省告示第580号)」といいます。要するに何が言いたいかといえば、つまり利用運送業で引越ビジネスをすることができる、ということです。この死角というか盲点を皆さんご存知でしょうか?

引越し一括見積りサイトは運送業者ではありません

例えば、いまあなたが引越しをすることになったとして、どこの引越業者に頼もうかと考えたときに、インターネットの一括見積りサイトの見積サービスが便利に利用したいですよね?しかし、このサイトは運送業者ではありませんから、情報を引っ越し業者に渡しているだけの情報業です。しかしながら、タクシー配車アプリのように「運送業の許認可が必要」だという法解釈が導き出された場合には、このようなネットサービスをIT企業が営むことができなくなるのです。規制産業の許認可に関する知識をしっかりと持っていることが、競争が厳しい業界で優位性を確立することを理解すべきケースだと思います。