日本通運の、陸海空の垣根を越えた営業が、貨物利用運送業者に与える影響

前回7月3日の記事での内容を一部繰り返します。すなわち、日本通運が23年ぶりに最高益を更新し、成長力を取り戻したと評価されているのは、3PL業務を自社に遂行し、「陸海空の垣根をこえた営業」を実施できたことによるが、内容的には、しがらみを断ち切った組織変更を超えるものではなさそうである、と。今回はその組織変更が、貨物利用運送業や実運送業に携わっている皆さんにどのような影響があるのかについて、考えてみましょう。

利用運送業や実運送業に携わっておられる皆さんは、既に日々の業務遂行から、肌で感じられているとは思うのですが、これはどうしてもネガティブな影響が出てくると見ざるを得ません。

6月26日付けの日経新聞電子版によれば、「13年9月に営業・事務系社員を対象に8年ぶりの希望退職を募集」して、それにより、「764人が会社を去」ったということですが、これは、これまで陸海空それぞれの縦割りされていたと想像される営業部の果たしてきた機能を、横串をさした横断的な組織が担うことになり、従前であれば、大手物流会社の業務領域の外枠に存在し得た貨物利用運送業務が、大手運送会社の中に組織的に取り込まれたことを意味するのです。つまり、貨物利用運送業者のプレーイングフィールドに、これら大手物流会社自身が、乗り込んできたということです。

「トラック台数も減らして外注に切り替え」られることにより、大手物流会社が減らしたトラック台数分の実運送業務は、系列化されている事業者に流れなければ、第三者である実運送業者に回ってくる可能性もあるでしょうけれど、これとても、大手物流会社の実運送業務関係者の固定費などが、割高であるとの判断に基づくものでしょう。これは、日経新聞電子版にもありますように、日本通運について「国内物流が大半を占める単独売上高に対する労務人件費の比率は、前期で23.4% と13年3月期に比べ、1.6ポイントさがった。今期はさらに22%台にさがる」 というのですから、 間違いがなさそうです。それゆえ、第三者実運送業者に回ってくるとしても、その仕事の単価は、厳しいものになるでしょう。

大手物流会社の組織変更により、その活動領域が、従前の貨物利用運送業者の活動領域までカバーし始め、大手物流会社の傘下の外枠で活躍している貨物利用運送業者の出番が少なくなっていくのは確かなようです。