トラックから鉄道への物流シフト

モーダルシフトとは

トラックドライバー不足とネット通販の拡大を受けて脚光を浴びるモーダルシフト。モーダルシフトとは、国内の貨物輸送をトラック輸送から大量輸送機関である鉄道や海運に転換することをいいます。鉄道貨物とはいわゆる貨物列車です。鉄道輸送の大きなメリットは時間通りに大量かつ迅速に貨物を輸送できることです。また、急に発生した需要でも貨物列車のコンテナの輸送枠を確保するだけで済み、ドライバー確保に四苦八苦する必要もありません。近年は通運会社による専用貨物列車の運行も始まりました。また、流通最大手のイオンは東京大阪間に専用列車を走らせており、環境問題に積極的に取り組んでいます。にもかかわらず、国内貨物輸送量におけるトラックのシェアは約9割なのに対し、鉄道はまだ約1%に過ぎません。

鉄道輸送のシェアが伸びない理由

シェアが伸びない要因の一つには運賃の高さが挙げられます。鉄道貨物の運賃が高いのは貨物を輸送するJR貨物などが線路を使わせてもらう対価としてJR各社へ支払う線路使用料が高いことにあります。一方のトラックでは高速道路の料金のみで一般道なら使用料は無料です。また、国際規格のISOコンテナや10トントラックなら運べる31フィートのコンテナが鉄道輸送では不足しているといった問題もあります。さらに、東海道本線のような輸送需要の大きな路線では、好き勝手に需要増に対応するだけ列車の本数を増やせないといった問題もあります。在来線や特急列車が貨物列車に優先するとする取り決めや、夜間の輸送では線路の保守との兼ね合いもあります。こういった個々の課題をクリアするためには、行政を巻き込んだ対応策を考える必要がありそうです。つまり、線路というインフラをJRの私有物ではなく公共財として考え、補助金でトラック輸送との価格の溝を小さくすることが重要だと思います。また、地方の赤字路線は3セク化されていることが多いですが、その3セクにとって貨物列車の線路使用料は貴重な収入源です。その収入があることで地方の赤字路線が維持され、地域住民の生活の足としての鉄道が維持できるメリットも考える必要があります。

鉄道輸送で運ばれた商品を知ってもらう取り組み

なにより、鉄道輸送は環境への負荷が少ないことが大きなメリットです。鉄道は輸送単位当たりのCO2排出量がトラックの約9分の1と環境負荷が小さいのです。ただ、消費者に輸送手段までは認知されていない現状があります。そこで鉄道輸送で運ばれた商品を一般消費者に知ってもらう取り組みとして「エコレールマーク」制度があります。この制度の趣旨は国が定めた基準を満たして輸送された商品にこのマークを付けることで、その企業が環境への取り組みを行っていることを知ってもらおうとすることにあります。今後、モノを買う際に注視されてはいかがでしょうか。