人材獲得には安心して働ける職場環境のアピールが必要

深刻化する物流業界の人手不足

インターネット通販市場の拡大により取り扱う物量が激増し、成長が著しい物流業界。一方、日本のどの産業にも共通する問題ですが、労働者の高齢化により人手不足が懸念されています。その中でも物流業界の人手不足は深刻なものとなっています。長時間労働、低賃金などの負のイメージが原因で応募が少なく、また職場環境のため採用したドライバーが定着しにくいことが原因として挙げられます。

世界に誇るきめ細やかな日本の物流システム

今日注文した商品が翌日指定した時間に届く。このようなスピーディーできめ細かい日本の物流システムは世界でも例がなく、非常に高く評価されています。しかも、保険を付けることもでき、消費者は安心して荷物を受け取ることが出来ます。しかし、その高度にきめ細やかなシステムを支えているのは現場で働く「人」です。サービスが複雑化するにつれて、そこで働く人の負担も増えます。また、労働集約型の産業である物流業界にとって人手不足は時に致命的な問題となります。ドライバーの仕事はロボットではまだ代用できません。数年前まではリストラで人件費を削り、合理化で労働者は過酷な労働条件を突きつけられました。景気が過熱してくると今度は人材の獲得競争です。「人手不足倒産」といった言葉も聞くようになりました。

人材獲得競争に勝つためには

付加価値の総和がGDPであるのなら、物流業界の人手不足は日本経済全体にとっての大きな損失であると思います。なぜなら、上記のような物流業界のきめ細やかなサービスが日本経済の付加価値の一部であるからです。TPP交渉妥結の際には一時的に倉庫・物流業界の株価は上昇し、期待感が先行しました。しかし、少子高齢化が進む日本において、近い将来人手不足を一気に解消できるような明るい材料はありません。物流業界に目を向けてもらえるよう限られた人材へアピールが必要だと考えます。例えば、人が安心して働ける職場環境づくり、労働者の効用を高めるような賃金体系の構築。特に、今後は退職者の再雇用や女性が働きやすい職場環境作りが人手不足を解消する一つのテーマになっていくと思います。