利用運送事業が運送業収益性のカギとなる理由

勘のいい方なら、ここまでお読みになってお気づきかもしれません。つまり、これまでお伝えしてきた、利用運送事業が21世紀型の運送業にとって何故重要なのかということのカギは、従来の運送業の常識の枠を越えるところにあるのです。

利用運送事業のカギは運送業の常識を越えたところにある

1990年代の後半になって、パソコンに代表される情報処理端末とインターネットの一般家庭への普及により、IT技術がすべての業界で事業の革新をもたらすと云われたIT革命が勃発しました。これによって、一見目立つところではIT関係の産業やネットビジネスの業界が新たに立ち上がっていますが、じつはありとあらゆるすべての業界でIT化あるいはIT導入は行われることになり、業務プロセスの効率化が果たされました。この業務プロセスの効率化こそがカギの本質です。すなわち、これまでの運送業では、基本的には「運ぶこと」のみが業務であったところ、あるいはせいぜい条件的に対応可能なタイムシフトや、車両運行効率の最適化といった経営改善であったところ、ITによる物流全体の最適化が業務支援システムの形態を伴って導入され、隣接する上流あるいは下流だけの取り込みでは十分な収益性を確保できないまでに効率化が求められるようになったのです。

経営努力を怠ってきた運送会社は淘汰された

すなわち、運送業が活動する流通というカテゴリのなかで、全体最適のプロセス革命が起こったため、お客様である荷主、または商品である荷物、あるいはサービス品質保証である管理部門の、これらのどの部分にも直接コミットしていない運送業は、そのバリューを劣化させ収益性を失っていくことになったのです。この20年ほどで取引先の顧客から単価の引き下げを要求され、コスト削減努力が追いつかず、あるいは日本のバブル経済崩壊後のデフレ経済を理由として経営努力を怠ってきた運送会社は、ことごとく淘汰される結果となりました。

利用運送事業による運送手段の最適運用が生き残りのカギ

しかし、運送業者さんのトラックが走らなければ、お客様の荷物がお届け先に届かないことも事実です。この末端の決め細やかなサービスを担っているのが、ハードで語られがちな物流業界のなかのソフトパワーなのです。このソフトパワーを最大限に発揮し、ルーティーンの業務に埋没することなく、収益の機会を求めて成長努力を続けた会社こそが、強い運送業として生き残っています。その生き残りのカギが利用運送事業による運送手段の最適運用というビジネスモデルであることは論を待たないでしょう。