利用運送事業が21世紀の最新ビジネスモデルである理由~その2

利用運送のビジネスモデルについて、前回は一般消費者と貨物運輸運送事業者との近い接点にある「引越し」をモデルにお伝えしました。今回は、また別の視点から触れてみたいと思います。

トラックという貨物運送自動車を走らせる画一的なビジネスモデル

長く続いた日本のデフレ経済下において、輸送・運送業界は荷主からの値下げ圧力に晒され続けてきました。それは、トラックという貨物運送自動車を走らせることを業務とする画一的なビジネスモデルによって、顧客である荷主企業への価値提案において差別化できず、「この」荷物を運ぶのであれば、A社でもB社でもZ社でも品質が同じであれば、一番安いところが自社の利益に直接反映するからです。しかしながら、運転手の高齢化や引退が進み、原油価格の高騰などから油脂費が上昇すると、企業がどんな経営努力をしたところで売上原価が上昇するわけですから、上代ある売上に下方圧力がかかり、利益を生むための原価に上昇圧力がかかれば、自ずと経営状態は悪化します。デフレーションの環境下では金利負担感は増大する一方だったといえるでしょう。

若い運転手を確保できず運送業を伝授する中間層が育たない

そうして時代が一巡し、アベノミクスの第一の矢(金融緩和)によってインフレに経済環境が変化すると、これまで長年に亘って消耗してきた経営体力が下限値の限界を維持することに適応してきているため、上昇圧力についていくことができない。すなわち、若い運転手を確保できない。運送事業のノウハウを伝授する中間層が育っていない。利益を生み出す車両更新に対する経営負担が重過ぎて、低燃費の最新車両が導入できない、という悪循環に陥ります。

スマホビジネスの変革は物流・運輸運送業界にも押し寄せる

そうしているうちに、市場ではどんな変化が起こっているのでしょうか?それは皆さんの、あなたの手の中にあります。自分自身の手を見つめてみましょう。何を持っていますか?数年前と現在とでは何が違うのでしょうか?答えは携帯電話です。ここ数年でガラケーからスマホに急速に進歩しました。この進歩は生活シーンの変化です。生活者の変化はビジネスの変革を促します。ビジネスの変革の波は、当然物流・運輸運送業界にも押し寄せます。すなわち、旅客運送であるタクシー業界で起こっているスマホアプリによる革命が、貨物運送であるトラック運送事業にも起こりうるということです。それがいつかは確約できませんが、そう遠い将来ではないでしょう。そのときに競争優位を築くのが、効率的な物流システムを構築した利用運送事業であることは、物流業界の3PL革命をみれば、容易に想像できることではないでしょうか。