安全とドライバーの労働環境を守るために

縦割り行政の垣根を越えて

スキーツアーバス事故では国土交通省の監査が行われ、次々と法令違反や不備が指摘されました。このように運送業は国土交通省運輸局の監督下にあります。また運転手の安全衛生などは厚生労働省労働局の監督下に置かれています。縦割行政の弊害がかつてから指摘されてきましたが、近年では省庁の垣根を越えた相互通報制度が稼働しており、合同監査も行われています。

安全に関することは国土交通省の監督下

一般貨物運送事業は許認可権を持つ国土交通省の監督下に置かれています。事業を開始する場合、国土交通大臣又は地方運輸局長の許可が必要であり、これに違反した場合1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金科料に処せられます。事業許可の要件に営業所に関すること、最低車両台数(一営業所につき5台)のような事業用自動車に関すること、車庫・事務所休憩施設に関すること、勤務割や運行管理者の設置などの運行管理体制に関すること、安全輸送管理体制の整備に関すること、資金計画・収支計画に関すること、保険への加入のような損害賠償能力に関することなどがあり、これらに違反していないかが監査の対象になります。運輸局によるこれらの事項の監査は国土交通省の告示により行われますが、事故防止に重点が置かれています。具体的にどのような監査が行われるのかは2/23の記事でご紹介しておりますのでそちらをご参照ください。

ドライバーの安全衛生は労働基準監督署の調査を受ける

賃金不払いや長時間労働のような拘束時間違反などの違法行為は労働局(労働基準監督署)が対応します。特に、トラック運送業界では労働者の労働条件は厳しいものがあり、そのことが大きな事故に繋がることから安全衛生確保はかねてからの喫緊課題です。具体的に労働基準法では労働時間割増賃金関係や労働条件明示等に違反していないか調査されます。また自動車運転者の労働時間の改善のための基準があり、これはトラック運送業改善基準告示と呼ばれ、そこでは拘束時間や休憩時間、最大運転時間や連続運転時間、休日労働に関する違反があるかどうかが調査の対象となっています。監督署の調査は長時間労働など労働者から申告があった場合に抜き打ちで行われますが、その結果非常に高い確率の事業所で違反が認められています。労働基準監督署の調査の結果違反があれば是正勧告や指導を受け、それの対応をしなければなりません。

普段から法令順守意識があれば監査対策に必要な時間を割かれることはなく、安定的な事業運営が出来ます。また、専門家を活用することで監査対策に係る費用をアウトソーシングすることも可能かと考えます。