専門分野を持つ強みと危険物取扱者

競合他社と差別化するために

運送業に限らず事業を行う場合、自分の専門分野に特化するということは事業経営上、大きな強みになります。運送業の場合、ピアノのような大きな荷物を運べる能力があることやコピー機のような精密機械を扱える、または危険物の輸送を引き受けることが出来るといったことで他社との差別化を図ることが可能となり、大きなアドバンテージになります。

例えば、ピアノのようなお客様にとって思い入れのある商品を運ぶ際には慎重な作業が必要です。また、ピアノ運送の場合クレーンを使った特殊作業が必要になることがあります。搬送には人手もそれなりに必要で、自社で確保できない時は派遣会社からスタッフを派遣してもらう方法もありました。しかし、近年派遣法が改正されいわゆるスポット派遣が原則禁止されていますので、自社で必要な人材を常に確保しておくことが重要かと思います。

危険物の「移送」と「輸送」

街中を走るトラックやタンクローリーとすれ違う際、「危」とか「毒」といったマークを目にすることはないでしょうか。それは危険物を運ぶためには消防法の基準をクリアしなければならないからです。危険物の輸送というとタンクローリーがまず頭に浮かびますが、タンクローリーで危険物を輸送することを「移送」といいます。一方、トラックなどの一般車両で危険物を運ぶことを「運搬」と定義します。危険物を「移送」する場合は危険物取扱者の資格者の同乗が必要です。また、トラックなどで「運搬」する場合はより危険性が高いため、指定数量未満であっても消防法の規制を受けます。まず「運搬容器の基準」があり、運搬容器の材質、構造、最大容積について基準があります。次に「積載方法の基準」では収納の基準、運搬容器への品名・数量等の表示の基準、危険物の性質に応じた措置方法や混載の禁止事項が定められています。さらに、「運搬方法の基準」では指定数量以上の危険物を運搬する場合標識を掲示し、消火設備を準備しなければならない車両に対する基準、運搬中の事故発生時の応急措置や消防への通報義務などが定められています。

危険物取扱者には丙種から甲種まである

危険物の「移送」に同乗し、指定数量を超えた危険物の「運搬」に立会う危険物取扱者は消防法に基づく国家資格者で、免許には丙種、乙種、甲種があります。甲種を持っている人は全ての危険物の取り扱いと立会が出来、受験制限もあります。乙種は免状を持っている類(第1類から第6類)の危険物の取り扱いと立会が出来ます。この乙種のうち第4類(乙四)ではガソリン、灯油、軽油、エタノールなどの引火性液体を取扱いと立会をすることが出来るため、一番需要がある資格です。丙種では限られた危険物の取り扱いしか出来ず、立会は出来ません。乙種と丙種には受験制限はありません。運送業に携わる方でこの危険物取扱者の甲種または乙四の免状を取得している人は非常に重宝され、大型免許以上にトラックドライバーの花形資格として認知されているようです。