法人の意味と株式会社の設立の手続

法人とは

前回は個人事業主として事業を始める場合を説明しましたが、今回は法人である株式会社を設立するケースについて説明します。ここで、法人とは人間のような自然人ではないが、法律上人格を認められ権利義務の主体となりうるものを言います。そのため個人事業主と異なり、財産的法的責任も株式会社である法人そのものが負うことになり、原則個人は出資の範囲内で責任を負います。

株式会社設立の手続

株式会社を設立するための手順は会社法という法律で規律されています。まず定款と呼ばれる会社の根本規則を定めます。定款には最低限①目的、②商号、③本店、④設立時資本金の額、⑤発起人の氏名住所を記載しなければなりません。そしてこの定款を公証人に認証してもらいます。次に、出資金の払い込みをします。これが設立時の資本金になります。それから取締役などの役員を選任します。役員の選任は発起人の議決権の過半数で行います。最後に必要書類を揃えて本店の所在地の法務局で設立の登記を申請します。これで法人格をもった株式会社が成立します。ここまで収入印紙や登録免許税などで約25万程度費用がかかります。

その後、税務署へ設立の日から2月以内に「法人設立届出書」を、給与支払事務所になった場合はその日から1月以内に「給与支払事務所等の開設届出書」を提出します。また税制上有利な「青色申告の承認申請書」「棚卸資産評価方法の届出書」「減価償却資産の償却方法の届出書」なども提出しておきます。さらに都道府県へ「事業開始等申告書」、市町村へ「法人設立届出書」を提出しなければなりません。また、労働基準監督署や社会保険事務所へ労働保険や社会保険関係の届出書を提出します。許認可が必要な事業は監督官庁への届出や免許が必要な点は個人事業主の場合と同じです。すべての届出が完了してから、株式会社としての事業開始です。

株式会社は運営面でも規制がある

事業規模が大きくなると社会的な信用の面や税制、責任などの観点からも法人格を持った株式会社を設立するのがいいでしょう。株式会社では新株や社債を発行することで資金調達が行えます。しかし、株式会社の場合、上記の設立だけではなく、資金調達や組織運営面でも会社法をはじめ様々な法律で規制されています。例えば会社法では、1年に一度は決算を公告すること、株主総会を開なければないこと、任期ごとに取締役等の役員の変更を行わなければならないことなどが規定されています。また、変更の都度登記が必要な事項も規定されています。そのため専門家のアドバイスを受けながら事業運営を行うのが得策だと考えます。