物流とは単なるモノの流れではない

物流を英訳すると二つの意味がある

今日、当たり前のように聞く「物流」という言葉。英訳すると「フィジカル・ディストリビューション」(Physical Distribution)と「ロジスティクス」(Logistics)の二つの訳が出てきました。前者はモノの流れを意味し、物流の直訳に近いニュアンスですが、後者の方は発展系といった感じを受けます。では、この二つはどう異なるのでしょうか。

フィジカル・ディストリビューション(Physical Distribution)~狭義の物流

Physical Distributionを直訳するとモノの流通を意味します。
この意味が持つ物流には①調達物流、②社内物流、③販売物流、④消費者物流、⑤回収物流の5つがあります。①まず「調達物流」。これは生産者が材料などを仕入れるための物流です。②次に「社内物流」。これはメーカーが生産した商品を工場から自社内各店舗などへ移動させる物流です。③さらに「販売物流」ですが、メーカーから各小売店へのモノの移動です。④そして、「消費者物流」です。これは私たち消費者が一番身近に感じる物流で、お店で買った商品が宅配便で送られてくるようなモノの流れを言います。⑤最後に「回収物流」というものもあります。これは①~④とは逆の流れのモノの流れで、商品の返品やリサイクルのようなモノの流れを意味します。
このようにPhysical Distributionは単なるモノの流れを意味しています。

ロジスティクス(Logistics)~今日的意義を持つ広義の物流

これに対し、Logisticsは物流を機能の観点から分類しています。つまり、物流には輸送、保管、荷役、流通加工、包装といった5大機能があります。
「輸送」はモノを移動させる役割、「保管」は倉庫業のようにモノを保管する役割、モノを飛行機や船、自動車へ積み込む「荷役」という役割、物流の過程で商品が壊れないようにまた効率よく運ぶことが出来るように「包装」し「加工」する役割です。
Logisticsが持つ物流という意味はPhysical Distributionを内包し、より高度で効率化した物流と言った意味で、今日的物流の意味づけとして最適であると思います。

物流を人体で例えると循環器に似ていると思います。血液が体の隅々まで流れなければ、私たちは生きていくことはできません。それと同様にモノがスムーズに流れなければ経済活動は停滞してしまいます。モノがスムーズに山間部や離島などの社会の末端まで行きわたるようにしてくれているものが高度なロジスティクス(logistics)なのだと思います。