眠っている労働力活用と無理な要望を断る勇気

お中元シーズンの幕開け

デパートや大型ショッピングセンターでは今年もお中元の早期承りが始まりました。これと並行するように今後運送会社でも取り扱う荷物の量が増えていくため、臨時雇用の求人も増えてきました。安全に荷物を届けることが使命である運送会社で働かれる方にとって、繁忙期の人材確保は喫緊の課題です。また最近は賃金の上昇もあり、小売、飲食、運送などで短期の人材獲得競争が続いています。追い打ちをかけるように発生する人手不足感を解消し、繁忙期に最優先課題の安全輸送を維持するためにはどうすれば良いのか考えてみます。

主婦や外国人の労働力を活用する

解決策の一つは配達をもっぱらプロであるドライバーが担当し、それ以外の仕事を眠っている労働力に頼ることが考えられます。その一つは主婦の活用です。午前中や日中の数時間の細切れの時間であれば、時間的制約が多い主婦を活用でき、双方にメリットが生まれます。例えば、ヤマト運輸ではドライバーとは別にドライバーを補助するフィールドキャストとして女性の登用を進めてきました。その結果、1万人を超える女性スタッフが活躍しています。女性が働きやすい職場環境の整備も進んでいます。また、外国人労働者の活用も考えられます。言葉の障壁がありますが、配送ではなく集配拠点での仕分けなど、コミュニケーションをあまり必要としない部署で彼らは大きな力を発揮します。こちらも外国人が働きやすい環境への配慮が必要です。経営者を始め、職場の従業員全員に異なる文化を受け入れる寛容さが必要です。主婦や外国人が働きやすい職場環境や労働時間などの前提条件を整備出来れば、分業により人手不足が解消でき、労働集約型産業の運送業では大きな成果を上げることが可能であると考えます。

顧客の不当な要望は断る勇気も必要

また、大口顧客からの無理な要望は断る勇気が必要かと思います。特に、荷主からの運送料金の不当な引き下げ要求など、経営の根幹を揺るがすような問題は監督官庁に相談する勇気も必要になります。今年1月の軽井沢で起きたスキーツアーバスの事故は発注者である旅行会社から不当に安い料金で輸送を引き受けていたことに原因の発端がありました。ですから、経営者は目先の利益よりも社会全体の利益を考える必要があるのです。また、お中元やお歳暮などはある一定の期間に配送が集中します。それは近年受注システムが機械化されており、店頭で承りをする担当者が、例えば「7月1日到着指定」などと連続して操作するようにお店で指導を受けているためにそういった事態が発生します。ですから、運送業界がとりうる対策としては、お中元お歳暮のように「日時」指定より「期間」のほうが重要である荷物については、大量に荷物を出す小売店側と「期間」指定へ変更出来ないか、今後相談することで解決策を見出していくことが重要かと思います。