自動車運送業界における環境への取り組み

自動車運送会社の社会的責任

先週は物流のモーダルシフトについて説明しましたが、自動車運輸業界における環境への取り組みを今回は考えてみたいと思います。企業の社会的責任(CSR)が叫ばれて久しいですが、自動車運輸業界のCSRは安全輸送と環境への取り組みです。実際、運送業を営む多くの企業がホームページで環境行動計画を宣言しています。

低公害車導入のメリットとデメリット

東京都では平成15年からディーゼル車規制が始まり、条例で定める粒子状物質排出基準を満たさないディーゼル車は都内の走行が出来なくなりました。この規制に違反した場合運行禁止命令が出され、従わない時は罰則の適用もあります。このように環境基準を満たさない会社に対する社会的な制裁は年々厳しくなっています。そこで低公害車の導入が加速しました。今では買い替えや増車の際に低燃費かつ低排出車を導入する会社が圧倒的に多いです。低公害車と言えば、ハイブリッドカーや電気自動車が代表的です。ハイブリッドカーはガソリン車に比べ、大気汚染の原因となるCO2やNOxなどの排出が少なく、電気自動車に至っては全く有害物質の排出がありません。そのため、地球資源が守られ、さらに経営者にとっては原油価格の高騰や下落に一喜一憂しなくても良いという経済的なメリットもあります。また、エンジンルームが不要となるためその広さを荷物を運ぶ空間として活用することが出来ます。

しかし、まだインフラの整備が追い付いていないのが現状です。電気自動車であれば10時間以上の充電時間が必要になり、その間は車両を利用できません。また、長距離運転に必要な充電スポットですが、必要な時に探してすぐ見つかるものではなく、あらかじめ見通しを立てた運転計画がなければ途中でバッテリー切れということに繋がります。さらに、車両価格がガソリン車に比べ高額です。それを補うために低公害車は購入時にかかる税金が低くなるように設定されています。

グリーン経営認証とは

国の制度ですが「グリーン経営認証」という制度があります。これはトラック事業者に対し与えられるもので、自ら環境保全に関する活動を行えるようなマニュアル作成をし、それに基づき一定以上のレベルを超えた事業者に与えられる認証制度です。認証・登録には費用がかかりますが、積極的な取り組みを行っている企業は公表されますし、グリーン経営は運送業を営む上でもはや避けられない課題であるため、費用対効果はあるのではないでしょうか。大手小売店の一部では運送会社がこの認証を取っているかいないかで取引を判断するところもあるようです。