運送業からの事業多角化としての物流不動産事業

はじめに

運送業に携わられている方で物流不動産ビジネスに関心を持っていらっしゃる方がいらっしゃると思います。事業の多角化を行う上で宅建業は比較的少額投資で開業できる事業です。そこで今回は物流不動産のビジネスモデルについて説明したいと思います。

物流不動産のビジネスモデル

物流不動産とは倉庫や配送センターなどの物流施設のことです。これまでの物流不動産のビジネスモデルは空き倉庫の所有者とそれを利活用したい荷主テナントなどを仲介(売買・賃貸)するモデルが一般的でした。物流不動産には主として商品の保管を行う倉庫を保管型倉庫(DC倉庫)、仕分・加工などの機能を持つ通過型施設(TC施設)があります。しかし、近年では経営資源の選択と集中の流れで物流不動産の活用の方法も変わってきました。かつて物流施設といえば「倉庫」のイメージが浮かぶように港湾に段ボールが山積みになった物件を差していました。しかし、近年はインターネット通販市場の拡大とともに物流施設の需要が急拡大し、供給が追い付かない状態が続いてきました。また、アマゾンの即日配送といったようなサービスに対応できるよう従来型の倉庫とは一線を画すデザインや耐震性、そして最新鋭の機能を揃えた大型物流施設が投資ファンドの出資で東京大阪や福岡など好立地の主要港湾部へ次々建設されています。そこで業務を行う3PL(3rd Party Logistics)企業が注目されます。これは物流業務だけをサービスとして行う企業のことで、物流不動産の運営企業に該当します。例えばネット通販を主に手掛ける企業は販売に専念し、商品の調達や梱包、出荷、配送といった業務を3PL企業にアウトソーシングします。その他、最新鋭の物流施設と引換えに使われなくなった小さな倉庫などはリノベーションし、カフェや店舗として再活用するなどの取り組みも注目されます。

物流不動産業を営むには

3PLのような委託業務や自らリノベーションした倉庫のオーナーとなり他人に賃貸し収益を挙げるケースでは宅建業の免許は不要です。しかし、物流施設の売買や賃貸のような仲介業務を営むためには宅建業の免許を取得しなければなりません。免許は本店所在地の都道府県知事、2以上の都道府県に支店を出す場合は国土交通大臣の免許が必要です。消費者保護のために従業員5人に1人以上の割合で国家資格者の宅地建物取引士を置かなければなりません。また役員が宅建業法上の欠格要件に該当していないことも重要です。免許取得後は1000万円供託するか、宅建協会などへ加入し分担金を納付しなけば営業を開始することは出来ません。その他、運送業の許認可のように宅建業を営むためには細かい法律の規定がありますので、事業を開始される際には専門家へご相談されることをお薦めします。