高付加価値商品を運ぶ手段としての航空輸送

航空輸送とは~ベリー便とフレーター便

先日、空港で飛行機を眺めていたら、旅客機とは異なる窓がない飛行機を見つけました。航空貨物(エア・カーゴ)と呼ばれる飛行機です。航空貨物とは飛行機によって運搬される貨物のことです。航空貨物では具体的に次のようなものが運ばれます。美術品・動物のような繊細なハンドリングを要するもの、医薬品のような緊急性を要するもの、さらに精密機械のような高い付加価値をもった商品です。つまり、通常の輸送とは異なり高い輸送品質が求められる商品が運ばれます。

航空貨物には大きく2つの種類があります。一つは普通の旅客機の貨物室を使って運ばれるケース。これを「ベリー便」といいます。これは日中乗客を運び、深夜空になったその旅客機を利用します。ANAではこの貨物便の客室の一部に搭乗者を乗せて運ぶといった試みが行われています。もう一つは貨物機を用いた貨物専用の航空機を用いる場合です。「フレーター便」と呼ばれます。窓のない航空機はまさにこれです。DHL,日本貨物航空(NCA)、近鉄エクスプレス(KWE)、JAL CARGO、ANA Cargoなどの会社があります。

航空輸送の特徴

航空輸送の場合、手続きがやや煩雑であるといった難点があります。例えば、JAL CARGOの場合、①輸送の準備→②搭乗便の予約→③出発空港への搬入→④航空機搭載→⑤空輸→⑥到着空港での引渡し、といった流れでモノは運ばれます。海外へ輸送する場合は通関手続などの複雑な書類を求められますので専門家に依頼するか代理店などを使うのが得策かと思います。また、リチウム電池単体では輸送できず、さらに危険物に該当する物品を輸送する場合運賃が5割増しになるなど輸送できる貨物に制限がありますので注意が必要です。航空貨物のコストはコンテナを乗せて運ぶ海上輸送と異なり、スペースが限られているため海上輸送の約7倍です。それでも、成田からロサンゼルスへ翌日には配送されます。船便だと1週間以上かかるために時間をお金で購入する輸送だともいえます。

羽田がアジアのハブ空港となるために

日本では騒音問題などの影響のため、24時間離発着出来る空港が現在羽田、関西、中部、新千歳、那覇、北九州の6空港に限られています。そのため上で上げたベリー便で搭乗者を運ぶ試みはANAの羽田と那覇を結ぶ一便でしか実現していないようです。今後、羽田空港が国内の各地の空港とベリー便で結ばれれば、消費者の選択肢が増え、羽田がアジアのハブ空港として国際競争力を高めていくことも可能となるでしょう。